TAW Thoroughbred Aftercare and Welfare

第25回 千葉 人見神社 神馬奉納儀式 その1

千葉県君津市にある人見神社は、古くから鎮守の氏神として近隣住民の信仰を集めてきた。例祭の際、拝殿に馬をあげ、神馬として神様に奉納する、全国的にもユニークな儀式を行う。その模様を紹介する。

妙見信仰と武士

人見山の頂上にある人見神社は1000年以上前から、両総六妙見(「妙見様」という神様に由来する千葉の神社)の一社として有名だ。伝説では、農夫が草刈りの最中に妙見像を見つけ、人見山に祀ったのが始まりという。

「妙見」とは北斗七星を指し、神道では天の星の神であり、仏教では妙見菩薩と解釈されている。七星のうちの一つに「破軍星」が含まれており、戦(いくさ)の神として特に武士階級の信仰が篤い。

有名な話では、1180年、源頼朝が挙兵後相模の石橋山の戦いに敗れ、再起を期して海を渡り、人見山につながる小糸川河口に着岸。人見神社に武運長久の祈願文を捧げたと伝えられている。

人見神社の拝殿。

「妙見様」を祀る観音堂。

馬との関わり

千葉県の名前は平安時代「千葉氏」を名乗った平氏の一族が、源頼朝を支援した功績で上総・下総を領地として安堵されたことに由来する。千葉氏は代々「妙見様」を信仰し、そのご加護をもって領地を収めるべく、妙見様を祀る神社を領内に勧請した。

戦の際には馬が欠かせない。そのため、妙見様は馬の神でもあるとされている。馬とは切っても切れない。1000年以上を経た今でも、神馬が奉納され、五穀豊穣・安全などが祈願される。

境内は決して広くはないが、拝殿、観音堂、社務所、鳥居などが丘の頂上の平坦な場所にコンパクトにまとまっている。拝殿前には馬を形どった造形物におみくじがびっしりと巻かれている。馬との関わりを感じる。

おみくじがびっしりと巻かれた拝殿前の馬の像。

例祭は近隣住民にとって重要な行事になっている。