第26回 静岡 焼津神社 荒祭 その3
焼津神社を出発した「神輿渡御(みこしとぎょ)」の一行は、順路に沿って市内の各地をまわる。独特の掛け声「アンエットン」が夏空に響き渡る。
神様と同じ存在
掛け声の「アンエットン」は「神様を尊く思う」=「尊とう」(「あなとう」)が語源になっているという。純粋に神に奉仕する気持ちを表す。
御神子(いちっこ)役、御供捧(おんくささげ)役はいずれも小学生ぐらいの女の子。鞍はつけず、背に座布団を重ねて騎乗している。それぞれ異なる独特の衣装だ。引き手2人を含め10人ほどの白装束の人々が周りを取り囲む。日傘を掲げる人、役の名を記した大きなうちわを持つ人もいる。騎乗する女の子たちは神様と同じ存在として丁重に扱われる。
「御神子」。神様の力を人々に授ける役を負う。
全ての人々を代表して、神様へお供え物を献じる「御供捧」。
行列のしんがり
行列の最後に登場するのは流鏑馬(やぶさめ)。編笠に狩衣、足には行縢(むかばき。足を守るための衣装)と、騎馬武者のいでたちの男の子が騎乗している。背に矢、手に弓を持っている。よく見ると弓に弦はない。昔は実際に矢を射たそうだが、縁起のいい矢ということで取り合いが起きたりしたというので、今は実際に射ることはない。
これら、馬を中心にした一団は二基の神輿の後にやってくる。行列のしんがりを務める形だ。長い行列の最後に馬が現れる。神事を締める役なので、彼らも神馬と呼んでいいかもしれない。
それにしても想像よりはるかに大きな祭りだった。「東海一の荒祭り」とも称され、静岡県指定無形民俗文化財にもなっているのもうなずける。これからも続いてほしい。

武者姿で騎乗する「流鏑馬」役の男の子。

焼津市街を練り歩く一行。祭りはこれからも引き継がれていくことだろう。
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