第22回 兵庫 神戸市・摩耶山天上寺 摩耶詣祭 その3
詣馬を中心とした一行は、ゆっくりと道を進み、約30分後掬星台に到着。ここで摩耶山春山開きの一連の行事が行われる。この行事にも馬たちは関係している。彼らの仕事はまだ終わらない。
山上の行事
山開きが行われる掬星台は開けた山上の公園で、夜になると神戸市街のライトとともに、頭上に星が広がる。手で掬い取れそうな気がするということで、この名がついた。
一行が広場に到着。観光客が周りを取り囲み、人の輪ができている。関係者の挨拶が終わると、狩衣姿の人物が弓矢をもって木曽馬に騎乗。方位を見定めて、快晴の空に矢を放つ。「さきがけの弓」という行事だ。
ここで馬たちの役割は終了。輪の外へと移動した。公園の広場に繋がれ、スタッフからもらった飼い葉を盛んに口へと運ぶ。その間も子供たちを馬の前に立たせた親たちが携帯のカメラを向けている。
掬星台に現れた馬たち。

式典の間も大人しい木曽馬。

飽きてきたのか、ミニチュアホースは大あくび。
天空に向けて馬上から矢を放つ。
五感で楽しむ馬祭事
馬たちが退出するのと入れ替わりに、新たに山伏たちが登場。入山の許可を得るための問答を行う。修験道の山伏問答が儀式化されている。無事、迎えられると、松の枝を折り重ねた護摩壇に進む。「紫灯大護摩供(さいとうおおごまく)」と呼ばれる野外で行う大がかりな護摩祈祷が始まる。
読経が続く中、松の枝に火がつけられ、凄まじい煙が上がってあたりが見えなくなる。やがて煙は火に変わり、読経も大きくなる。願いが書かれた護摩木が投げ入れられ、さらに炎が大きくなる。
護摩供が一段落したところで、続いて餅まきが行われた。周りを取り囲む観客に向かって、用意した丸もちを投げ入れていく。縁起物に人々が群がる。最後に摩耶昆布がわりのお菓子の昆布が配られ、儀式は終了となった。
馬と人、どこまでも続く青い空、読経と太鼓の音、松の煙の香り。春の訪れを五感で楽しむいい馬祭事だと思った。

護摩壇を前に儀式を行う山伏。

お土産に摩耶昆布がわりのお菓子の昆布が手渡された。

役目を終えて、のんびり餌を食べる馬たち。