引退競走馬の一時預入れ(預託)施設の開設について
1.はじめに
本年4月に、中央競馬・地方競馬、競馬サークル関係者が協力して設立された本財団TAWでは、引退競走馬のセカンドキャリア促進のため、下記のような取組み(試行運用)を行うので、ご案内申し上げます。
2.「引退競走馬のセカンドキャリア促進のための一時休養等施設の運営事業」について
(1) 事業の目的
引退競走馬のセカンドキャリア促進、乗用馬等への転用機会拡充等を目指して、所有者が引退競走馬を一時的に預入れができる施設を設け、これを運用する事業となります。
(2) 事業の内容等
JRAが所有する施設(栃木県・宇都宮市)を借り受けて、引退競走馬の一時的な受入れ施設を設け、セカンドキャリア等に向けて、引退競走馬の休養、体調管理等を行います。なお、そのコンディションを確認のうえ、グランドワーク等の初期段階のリトレーニングを行うこともあります。
また、他の関連団体等と協力して、引退競走馬のセカンドキャリアの場所、受入れ先等の情報収集を行い、ご要望があれば、その情報提供等を行います。
※ 本事業は、試験的な運用段階であり、「引退競走馬に関する検討委員会」において、利用状況等を分析、検討のうえ、取扱い方針等を今後も見直してまいります。
3.一時預入れ(預託)に関する注意事項など(宇都宮事業所の利用基準に基づくもの)
(1) 預託できる者(利用者)
現に当該馬を所有しているオーナー(競走馬時の所有者であり、競馬の馬主登録のある者)。
(2) 預託できる引退競走馬
サラブレッドのうち、競走馬の登録を受け、その後登録抹消している引退競走馬であって、セカンドキャリア(乗用馬への転用等)に円滑に進むことができると判断できるもの。
※ 牡馬については、当分の間、去勢処置を施した後の馬を対象とします。
(3) 受入れ頭数
預託の受入れについては、施設・設備の状況や人員体制などを勘案し、当分の間、TAWが受入れ枠を設けながら、運用いたします。
(4) 預託できる期間・費用負担
預託できる日数は、「概ね50日」を上限とし、利用者は、この期間内に次の受入れ先に移動できるよう、準備を進めていただきます。
なお、この預託期間については、預託に要する諸費用をTAWが負担いたします。なお、入厩・退厩に伴う馬輸送は、利用者負担となりますので、ご注意願います。
(5) 預託の申込み
預託を希望する場合は、登録抹消までの期間、去勢処置の状況等を踏まえ、TAWに受入れの申込み相談(引退競走馬に関する個体情報、入厩予定の日時、預託の予定日数等)を行っていただきます。
また、預託申込みに際しては、TAWに対して、当該馬のコンディションについての情報提供(動画での確認)を行い、双方でこれを確認します。
※ 上記(4)の期間内での退厩が難しいと予測できる場合、又は、乗用馬等への円滑な転用が困難とTAWが判断した場合は、預託の申込みはできませんので、ご注意願います。
(6) 確認書の提出
預託開始に際しては、TAWの「宇都宮事業所の利用基準」を理解・了承したうえで、「一時預託確認書」(別紙様式)を提出していただきます。
(7) 入厩について
預託馬の入厩については、利用者が馬運車を手配(費用も含む)し、入場ルート、積降し場所をTAWに確認のうえ、指定された時間に到着できるようにしていただきます。
(8) 日常の飼養管理について
TAWは、預託馬について、善良な管理者としての注意義務に基づき、一般的な飼養管理を行います。この一般的な飼養管理には、馬房内休養、個別放牧、ウォーキングマシンによる運動などが含まれており、軽易な治療、健康管理等の範囲で獣医師や装蹄師等が個別の対応を行います。なお、預託馬の状況等を踏まえ、TAWの判断に基づき、リトレーニング(初期のもの。グランドワーク等)や騎乗訓練などを行うこともあります。
(9) 預託馬の事故、疾病等
預託期間中に預託馬に事故、疾病等が発生した場合には、まずはTAWが処置・対応し、その状況に応じて、オーナー等に連絡のうえ、その後の対応等を相談いたします。
この場合において、TAWに故意や重大な過失があり、その責めを負うべきと判断されるときを除いては、TAWの判断が尊重されることをご理解願います。
※ 施設・設備等の関係により、一部、外科的処置(開腹等)の対応ができないことをあらかじめご承知おきください。
(10) 退厩(転出・セカンドキャリア)
一時預入れ期間内に次の転出先・受入れ先、譲渡相手等を決め、愛馬たちをセカンドキャリアに送り出していただきます。
なお、TAWは、引退競走馬が利活用される繋養先、受入れ先などについて他の関連団体等と協力して情報収集を行い、ご希望に応じて、受入れ希望等の情報提供なども行いますので、遠慮なくご相談ください。
以上のような内容をご理解のうえ、宇都宮事業所のご利用をお待ちしております。
なお、緊急的な措置(極めてシェルター的役割での対応)や諸事情を踏まえた対応も本事業の検証・調査の一環として、検討いたしますので、ご不明な場合を含め、TAWにお問合せ願います。
【 お問合せ・連絡先 】(月~金(除く祝日)10時~17時)
TAW事業部 03-6205-8533
TAW宇都宮事業所 028-678-8327