第19回 愛媛・菊間町 菊間祭 その2
愛媛県今治市菊間町の加茂神社秋の例大祭は毎年10月の第3日曜日に行われる。この日に向けて様々な準備が進められる。中でも「お供馬の走り込み」に出場する子供たちは乗馬の練習に余念がない。
練習に励む
10月第3週の金曜日。加茂神社の境内に来ていた。すでに馬場となる参道の広場には、町内で飼われている12頭の馬が繋がれていた。乗子となる子供たちが参集する。それぞれの力量に合わせ、事前に乗る馬は決まっているようだ。準備のできた子から馬上の人となり、軽く乗り運動を行っている。
やがて数頭が参道のスタート地点へと向かう。ゴール付近の安全を確かめ、次々と馬場を駆けていく。スピードはさして出ていない。キャンター程度だ。それでも乗り手によって、慣れている子、そうでもない子は結構差がある。今回の最年少は小3(9歳)とのこと。上は中学3年生(15歳)まで。毎年乗っている子もいれば、初めて参加する子もいる。力量に差があるのは当然だ。
それでもみんな一所懸命声を出して馬を追い、坂上へと駆けさせている。明後日は一世一代の晴れ舞台。どの子の瞳も輝いていた。
乗子の子供たちと口引き(馬の轡を取る人)は1週間前より神社にこもり、毎日海で禊をして神社に参拝する。しっかり身を清めた上で祭事に参加する。準備の段階から厳かな儀式が続く。

町内から加茂神社参道の広場に集まった馬たち。

参道の馬場を駆け、「走り込み」の練習に励む。

神社脇の坂道を駆け上がる各馬。
前日のパレード
本番前日の土曜日。祭用の衣装を着込んだ乗子たちが広場に現れた。繋がれた馬にも独特の和鞍が載せられ、様々な装身具が神々しさを引き立たせている。金曜日が技術の確認なら、本日は着装等のリハーサルといえる。
人馬は口引き役の氏子一行とともに町内のパレードに出る。途中、町内の有志からご祝儀が出る。
「○○さんから菊馬会にご祝儀をいただきました。ありがとうございます」。
行列の後ろをついていく車の中からアナウンスがある。名前を呼ばれること自体が名誉なことなのだろう。街をあげての行事であることが、こういった面でもよくわかる。

祭り用の衣装を身にまとい、装身具で馬装された馬に騎乗する乗子。

馬と乗子、口引き役の一行が町内をパレードする。

街中を抜け、近くの港までパレードは続く。