第13回 静岡県牧之原市・さがらサンビーチ さがら草競馬大会 その2

砂浜に出現したコースを疾走する馬たち。潮風を受けて、たてがみがたなびく。大勢の観客からは盛んな拍手がわく。向正面では、太陽の日差しが波に反射してきらめき、馬たちのシルエットが踊っている。
レースを楽しむ観客
第1レースはサラブレッド。参加頭数は、5〜6頭。レースは左回りだ。気がつくと、スタート付近に集まった馬たちが、一斉にスタート。スタート後に慌ててスターターが旗を振っている。このへんはいかにも草競馬らしい。
第2レースは6頭立てのポニーレース。子供か、小柄な女性が騎乗している。みなスタートから直線を勢いよく進むが、先頭の馬が第1コーナーを右に曲がって馬房へと帰ってしまう。後続各馬もそれに続いてUターン。草競馬らしくて、これもご愛嬌だ。
観客も笑いながらそれはそれでレースを楽しんでいる。
数レースごとにスタッフがコースをチェックする。馬が踏んでしまいそうな大きさの石を丁寧に取り除いていく。自然の砂浜なのでどうしても全部は取りきれない。少しでも馬が踏んで怪我をするようなことがないよう、できる限り手を尽くす。午前中のレースが終わると、重機が整地のためにコースに入る。砂浜で開催するためには必要な措置だろう。

スタート付近に集まる出場馬。

ポニーレースに参加する子供の騎手たち。
味のあるレース
午前中の予選9レースが終わり、午後の決勝が始まった。
それにしても軽種のレースなどはジョッキーもなかなか達者。ただの素人には思えない。関係者が集まっている馬房で話を聞くと、元・ジョッキーや調教助手など、廃止になった地方競馬のスタッフが結構混じっているとのこと。
サラブレッドや中間種による決勝では、プロの競馬さながらの激しいレースが続く。明らかに元プロとおぼしきジョッキーたちが見事なフォームで馬を駆る。
中間種のレース。スタートダッシュを決め、1コーナーで先頭を行く馬が、向正面では先頭を譲って3番手につける。そのまま1周して最後の第4コーナー。2頭の真ん中を割って、抜け出したところがゴール。見事1着になった。なかなか味のあるレースで見応えがあった。午後3時を過ぎてだいぶ日が落ちてきた。最終レースはこれからだが、そろそろ帰らなければならない。十分満足して会場を後にした。

向正面は砂が海水を含み、馬場が固くなるので走りやすい。

コーナーに殺到する各馬。小回りのためバランスを崩す馬も。

ゴール前、直線での攻防。迫力あるレースが続く。